酵母の声を聴いて、“一期一会”のパンを焼く「kamo pan(カモパン)」
小手指駅から狭山湖方面に自転車で10分。北野エリアに知る人ぞ知るこだわりのパンのお店があります。それが畑に囲まれた住宅街にたたずむ「kamo pan(カモパン)」。見つけると、隠れ家を見つけたようなワクワクした気分になります。オープンは2017年12月でここでの営業は週に2回ほど。自家製の数種の酵母とこだわりの素材を使った、魅力的なハード系のパンが並ぶ貴重で希少なパン屋さんです。
※2021年10月30日に閉店しました
自家製酵母はいつも違う顔
特筆すべきは「いちご酵母」「くこの実酵母」「カモミール酵母」「河内晩柑酵母」など、他ではなかなかみかけることがない酵母の数々。
ふつふつ、シュワーっと勢いが良い酵母が必ずしも発酵力が強いわけではないらしい。同じ素材で起こしても、(人にも個性があるように)勢いや香りは千差万別。毎回酵母の状態を見て、どのパンに使うか決めています。「この酵母はあのパンに合うだろう」単独でも組み合わせても、それが見事に合うのだからまさに職人技。まるで酵母の声が聞こえているかのようです。
素材はできる限りいいものを
パンに使うドライフルーツやスパイスはオーガニックのもの。酵母に使ういちごやかんきつ類ももちろん自然栽培のもの。自身が惚れ込み、子どもにも食べさせたいと思うもの選んでいます。「農家さんが愛情を込めてがんばって作ってくれると野菜はそれに応えるようにおいしくなる。素材の良さは、作るパンにもいい形であらわれてくる」と、店主の加茂(かも)さんは言います。中でも近所の野村さんが作るブロッコリーは豊熟で絶品とか。作り手の顔が見える安心感、そして食べ物をとおして人とつながれることに幸せを感じているそうです。
あれもこれも、目移りして決められない!
パンは常時20種類くらい並んでいます。ぶどうパンはくこの実酵母で有機レーズンとゴールデンサルタナレーズンがさわやかな甘み。木の実と種とチョコのねじねじは、乳不使用のチョコを使用。いちご酵母の食パンは、ほんのり色づき良い香り。ほかにもカンパーニュ、ベーグル、スコーン、イングリッシュマフィンなどどれも魅力的で目移りすること間違いなし。すべてがオススメいうのも納得です。
目に留まったパン・ド・ロデヴは水分量が多く外はバリっと中は驚くほどもちっとしたハード系パン。生地の扱いが難しく、捏ねにも成形にも技術力が必要です。良い具合で出る気泡はまさに芸術品、パンを愛する人たちの憧れのパン!?かもしれません。
こうやって一つ一つ作られるパンは「一期一会」。今日出会えたパンに再び出会えるとは限りません。何度作っても毎回違う顔をのぞかせる、だからこそパン作りが楽しいのだと加茂さんは言います。
小手指北野エリアの隠れ家的パン屋さん。“わざわざ”訪れたいお店「kamo pan」です。
基本情報
住所:所沢市北野2-22-21
電話:080-5647-1399
営業日は不定期。インスタグラムで確認してから。
https://www.instagram.com/_kamopan_/?hl=ja