Tweet

知的好奇心がくすぐられる！！この夏は、古代エジプトの神秘に触れたい

▲©WORLD SCAN PROJECT Inc. ©角川武蔵野ミュージアム
 
2023年7月1日より、角川武蔵野ミュージアムで「体感型古代エジプト展　ツタンカーメンの青春」の会期がスタートしています。
歴史に詳しいわけではない編集部スタッフですが、昔、教科書で、ピラミッドや象形文字などを見たとき、その未知の世界にとてもワクワクしたのを覚えています。今回タイトルにもある「ツタンカーメン」は、9歳の頃即位し、19歳という若さで亡くなったエジプト第18王朝の少年王。王（ファラオ）として即位した期間は一人の人間として考えると、まさに人生の中で「青春」と呼ばれる時間。ツタンカーメンの青春とは、いったいどのようなものだったのか。その儚く、切ない青春を、王墓に収められていた副葬品のうち、精巧に再現されたレプリカ約 130点とともに振り返ります。
 

入口からすでに感じる、独特の緊張感。“世紀の発見”の追体験も

編集部スタッフが伺ったのは、会期開始まもない平日の午前。角川武蔵野ミュージアムの営業時間前にも関わらず、ミュージアム外には、すでに７，８人の行列が…。これは期待が高まります(笑)

▲ポスターにも使用されている「黄金のマスク」の迫力！
 
早速、展覧会会場に行くと、迫力あるプロジェクションコンテンツの横に、洞窟のような入り口が…。

入り口を入ってすぐのエリアは、ツタンカーメンの王墓を再現した空間になっていました。最初に目に飛び込んできたのは、キラキラと金色に輝く飾りのついた寝台や番人の像。表情や目、かたち、どれをとっても美しいです。

▲©WORLD SCAN PROJECT Inc. ©角川武蔵野ミュージアム

“世紀の発見”の追体験

横の壁には案内があり、「壁の穴を覗いてみてください。」とあります。確かに壁には3か所穴が開いています。

これは、100年前、イギリスの考古学者ハワード・カーターとそのスポンサーであったカーナヴォン卿がツタンカーメンの墓を発見した際の光景を再現しているそうです…まさに“世紀の発見”の追体験！！
覗いた瞬間、100年前のその瞬間を想像して鳥肌が立ちました。
また、このツタンカーメン王墓からは、5,000点以上の埋葬品がそのまま発掘されたというのですから、この発見がいかに大きなことだったかがわかります。
後ろから見ていたカーナヴォン卿から「何か見えるかね？」と尋ねられた時、「はい、すばらしいものが」と応えるのが精一杯だったというハワード・カーター。せっかくの機会、皆さん、ぜひこのセリフと一緒に再現してみてください♪

▲会場でぜひ覗いてみてください
 
きらきらと輝く黄金の棺などだけではなく、褐色の棺もあったのですね。珪岩（けいがん）製というので、見るからにとても丈夫そうです。

▲珪岩（けいがん）製の石棺と壁画
 

日用品から想像するツタンカーメンの王以外の姿

ツタンカーメンの王墓からは5,000点以上の埋葬品が発見されていますが、その中には葬送儀礼に関わるものだけでなく、彼が使用していた日用品も数多くあったと言われています。生まれつき身体の弱かったツタンカーメンは、左足が内側に曲がった「内反足」で、王墓からは、130本もの杖やその一部が発掘されていたのだとか。日用品を目にすることで、ツタンカーメンの王としての姿だけでなく、夫として、戦士としての姿を想像することができます。

▲黄金の王座や杖など
 
続いて、中央展示エリアでは、絶妙な空間の余白の中に、縦に並んで人型棺や厨子（ずし）が展示されています。
※厨子（ずし）とは、２枚とびらの開き戸がついた物入れのこと
 
ツタンカーメンのミイラには黄金のマスクが被せられ、これら3重の棺の一番内側の棺に納められていたそうです。また、さらには、それを珪岩（けいがん）製の石棺に入れたあと、4つの厨子（ずし）が被せられ、例えて言うならば、まるで “マトリョーシカ” のように幾重にも重なって厳重に守られていたことがわかります。

▲この展示品の大きさを想像できますか？
 

世界に３セットしかない「黄金のマスク」のスーパーレプリカがここに

そしてこちらが…、本展示の目玉「黄金のマスク」。
エジプトから門外不出となった黄金のマスクをスーパーレプリカとして今ここで見れる幸せ…。
背景の壁と床にプロジェクションコンテンツが投影され、壮大な雰囲気の音楽とともに眺める「黄金のマスク」は、とても神秘的な体験です。遠くを見つめる黄金マスクと視線を合わせると少しヒヤっとした気分になります。神秘的で謎めいた、死者の世界というものがそんな気分にさせるのでしょうか。

▲©WORLD SCAN PROJECT Inc. ©角川武蔵野ミュージアム
 

▲©WORLD SCAN PROJECT Inc. ©角川武蔵野ミュージアム
 
展示品はすべて精巧に作られたレプリカのため、だからこその距離感で展示物を見ることができます。

▲色合いも美しい
 

▲側面に描かれたヒエログリフ
 
この他、象形文字「ヒエログリフ」の基礎知識や解読方法、実際にはどのような物にどのような事が書かれていたのかが解説されています。

▲©WORLD SCAN PROJECT Inc. ©角川武蔵野ミュージアム
 
「古代エジプトの死生観とミイラ」の章では、死生観の説明とミイラの保存方法とそれに添える装飾品の説明もありました。再生・復活には、体そのものも保存しておくことが不可欠であると信じていたエジプト人は、もともとの自然乾燥方式から、心臓以外の内臓と脳を取り出し、遺体の内外をナトロンに漬け乾燥させる方法で作るようになったのだとか…。エジプトのミイラ作りは、「死者の体を来世に備えて保存するためのプロセス」なのです。

▲装飾品の装着方法
 

空間そのものがアート。各界のエキスパートが集結して創り上げた展覧会、空間デザインや音楽も堪能して

展示物の配置や照明にも魅せられます。まったく新しい視点から古代エジプト文明を体験する展覧会にと、各界のエキスパートが集結して創り上げられたこの展覧会。監修・河江肖剰氏の解説はもちろん、美術監督の上條安里氏、川井憲次氏が手掛ける音楽にもぜひ注目してみてください。本展に合わせて作曲されたオリジナル楽曲「ツタンカーメンのテーマ」にも注目です。

▲アクテンアテン・アメンヘテプ４世の彫像
 
「スーパーレプリカと最新テクノロジーを合わせた、角川のオリジナルコンテンツ“新時代”のツタンカーメン展をぜひ楽しんでください」と、角川武蔵野ミュージアム担当者の熊谷周三さん。ここでご紹介したのは展示物の一部。ぜひ、ご自身の目で見て、感じてみてください。
 

会場限定グッズはお見逃しなく。鑑賞後はお土産もチェック！

▲ノートやペン、キーホルダーなど普段使いできるグッズもたくさん
 

編集部的ミニ情報☝
●ミュージアム内には、利用時のお金（100円玉）が戻ってくるロッカーがあるので、じっくりゆっくり鑑賞したい方は荷物を預けての鑑賞も可能です。
●先に学んでからくるもよし、ミュージアムショップには、ツタンカーメンに関する書籍も販売しているので、鑑賞後深堀りするもありです！
●夏はミュージアム外の水盤が解放されているので、天気の良い日は鑑賞後、水盤で涼むのもおすすめですよ！（小さなお子さんは濡れても良い服装やタオルなど持参で）
 

2023年7月23日(日)より、4階エディットアンドアートギャラリーにて連動企画展もスタート

2023年7月23日(日)より、4階エディットアンドアートギャラリーにて連動企画展「神秘のミステリー！文明の謎に迫る 古代エジプトの教科書」を開催予定です。

▲『神秘のミステリー！文明の謎に迫る 古代エジプトの教科書』 監修：河江肖剰 出版社：ナツメ社
 
詳細はこちら→https://kadcul.com/event/125

【展覧会概要】

<ツタンカーメンの青春>
展覧会タイトル:体感型古代エジプト展　ツタンカーメンの青春
英語タイトル:Unveiling Tutankhamen: The Pharaoh’s Timeless Adolescence
会場:角川武蔵野ミュージアム 1 階 グランドギャラリー
会期:2023 年 7 月 1 日(土)~11 月 20 日(月)
展覧会公式サイト: https://kadcul.com/event/124
主催:角川武蔵野ミュージアム(公益財団法人 角川文化振興財団)
監修: 河江肖剰(名古屋大学高等研究院 准教授)
協力:RE PROJECT PARTNERS(リプロジェクト・パートナーズ)、Densuke HD、WORLD SCAN PROJECT(ワールド・スキャン・
プロジェクト)
チケット価格(税込):
●オンライン購入(https://tix.kadcul.com/)、当日窓口購入
一般(大学生以上):2,400 円/中高生:1,800 円/小学生:1,000 円/未就学児:無料
■「ワールド・スキャン・プロジェクト」公式サイト https://world-scan-project.com/
 

Tweet