所沢の仕掛人。第1弾 程原宏明さん
所沢の仕掛人。
所沢の情報を発信する「所沢なび」では、「所沢の仕掛人。」をシリーズでお届けします。所沢を元気にする活動を行う「所沢の仕掛人」にクローズアップしてご紹介していきます。
第1弾は イベントプロデューサー 程原宏明さん
VOL.1 Mr. Hiroaki Hodohara (Event Producer)
取材 成田知栄子 2018年4月5日
もくじ
1.程原さんってどんな人?
2.所沢で初の「パンフェス」を企画
3.インタビュー
・所沢と川越のコラボイベント「パンフェス野老!」
・集客のターゲットはママさん
・あの成田童夢さんが応援団長に!~障がい者スポーツ・障がい者就労支援~
・出発点にしかすぎない!
・次回の「所沢の仕掛人」は?
1.程原宏明さんってどんな人?
程原宏明さんは、所沢市山口出身・所沢在住のイベントプロデューサーです。日本のオタク文化〝ジャパンポップカルチャー〟を世界に発信するイベントや、地域の食文化活性イベントなど数々の企画・提案を行い、大成功を収めています。
これまでのイベント実績は、「コミックマーケット」、「東京ゲームショウ」、「カレー・フェスティバル『彩の国カレーなる闘い』」など多数。所沢に関係したイベントとしては、「アニメフェスタin所沢」(2016年)「ドットメイク所沢」(2017年)の他、所沢青年会議所が主催した「ところざわポップカルチャーフェスタ -2017-」に、プロスノーボーダーとして幅広い芸能活動でおなじみの成田童夢さんや人気声優ユニットなどの著名人をよび、イベントを盛り上げるなどの活躍ぶりを発揮しています。
今年の程原さんは、さらにパワーアップ!主たるオタク系=専門性の高いイベントには、「必ず程原さんの姿あり!」というくらいご活躍です。程原さん自身も〝イベントオタク〟で、イベントのことを語り始めたら、話が止まらなくなってしまうほど。
今月は、幕張メッセで4月28日、29日に開催される「ニコニコ超会議」で「ネコネコちょい会議 ねこまーケット in ニコニコ超会議」のブースをプロデュース。
さらに、今年の冬には、ウエスタ川越で「ねこたま祭!」という大規模な「ねこフェス」企画も準備中だそうです。
猫や犬をはじめ、動物を愛し、動物の幸せを考える人たちが集うイベントで、猫グッズなどの展示即売会がメインのお祭り。毎回「ねこフェス」では、売り上げの一部を「保護猫活動団体」に寄付するなど、程原さんの活動の中には必ず、社会に対するメッセージや思いが込められています。
2.所沢で初の「パンフェス」を企画
程原さんが、今、所沢に仕掛けているのが「パン」の祭典。
2018年7月8日、所沢航空記念公園での開催が決定になりました。
その名も「パンフェス野老(やろう)!」
所沢の地名は「トコロ(野老)」が群生する湿地からついた地名ともいわれていて、昔は「所沢」を「野老澤」と書いていたそうですが、その「野老」を「やろう」と読ませて「パンフェス野老!」というイベント名に。
なんとも親しみやすくかわいいネーミングですね。
3.「所沢の仕掛人」 程原宏明さんにインタビュー
◆所沢と川越のコラボイベント「パンフェス野老」
成田 所沢で初めての「パンフェス」の注目点は?
程原 今回のイベントは、パン屋さんがメインですが、注目して欲しい点の1つが「所沢と川越が、市をまたいでコラボする市民活性化イベント」だということ。これが、パンだけじゃなくて、「川越ファーマーズマーケット」という地産地消イベントとのコラボレーションになります。私も「川越ファーマーズマーケット」の実行委員なのですが、先日、1月21日に「ウェスタ川越」で開催した時には、2万人の来場者で大盛況。出店も130店舗ありました。その中から、パンと飲食と農作物販売を含んで、多分40~50店舗の「精鋭部隊」が所沢航空公園に乗り込んでくると思います。
成田 「乗り込む」! なんだか、所沢×川越の「対決みたい」な感じですね
程原 いやいや。所沢が地元にして迎え撃つには〝超強敵すぎる相手〟なんで、〝対決〟というわけにはいかないですね。まともに張り合ったら、撃沈してしまいますよ(笑)。
川越では、毎週のようにコンテンツを変えて「街フェス」をやっているので、出店者はベテランぞろい。川越の「街フェス」の中でも「川越まつり」がナンバー1ならば、そのナンバー2にくるのが「川越ファーマーズマーケット」というくらい、めちゃくちゃクオリティが高いんです。川越の「おいしい」と言われる名店の集まりだと思ってください。
成田 それほど、ベテランな「川越陣営」の説得はきっと大変だったんでしょうね?
程原 それは、説得ということではなくて、私が「川越ファーマーズマーケット」の実行委員をしていて、その実行委員長の石川真さんと意気投合したんですね。どんなイベントでも同じ場所でずっとやっているとマンネリ化してくるので、そのうち飽きられてきてしまう。川越では、ここ3年間くらいかけて「川越ファーマーズマーケット」を年に2回開催し、じっくり育ててきたんです。でも毎年毎回やっていると、多少の出店者の入れ替わりがあるにせよ、それ以上を目指そうとすると、「どうやっていけばいいのかな?」「この先に何があるのかな?」と。そして、考えた結果、「地域間の交流」という視点で展開していけたらと思いました。その視点において、石川さんと私とのベクトルが一致したわけなんです。
成田 なるほど。イベントの成功の上にさらなる成功を狙うというわけですね。とはいえ、川越は観光地なので、所沢での展開の仕方とは異なると思いますが。
程原 人口でいえば、川越は、所沢とほぼ同じ約35万人規模の都市なんです。だけど、全然タイプの違う町。所沢は「再開発の街」で、川越は「古き良き蔵造を残し、歴史文化を残していく街」。川越は、平日でも「観光客でにぎわう街」だけど、所沢のプロぺ通りに「観光客はいない」。所沢は、外周に「西武ドーム」「狭山湖」「多摩湖」「西武園遊園地」があり、そして、2年後には東所沢に「KADOKAWA」さんができますよね。これらはすべて所沢中心街の外。一方、川越は、中心部の蔵里をはじめ大正浪漫夢通り、昭和の街、蔵造りの一番街、そして喜多院、蓮馨寺、川越八幡、熊野神社、氷川神社とまるで観光のオールスターみたいな街なんです。
この性質の違う2つの都市が一緒に何かをやってみたらどうなるのか!すごい楽しみですよね。
◆集客のターゲットはママさん
成田 今回のパンフェスで何人集客できそうですか?
程原 う~ん、1万5千人くらいかな。呼べても2万人くらい。そこは、もう、集客法の一番は広告宣伝でしょう。「川越パンマルシェ」の実行委員の経験から、「パンフェス」は、ご家族連れが圧倒的に多い。宣伝のターゲットはお母さん。お母さんが来たら、子どももお父さんもおじいちゃん、おばあちゃんも、一緒にきてくれる。また、ママ友も集まりますよね。お母さんたちに来てもらえるパンフェスにすれば、予想通りの集客が可能だと思います。
パンフェスの優れているところは、「持ち帰れる」ところ。ほかの食フェス、例えば、カレーフェスも肉フェスも持ち帰ったとしても冷めてしまって味がおちます。
成田 確かにそうですね。パンは、多めに買っても、おやつにも翌日の朝食にもいいですよね。
程原 そう。その場で食べきれなくても、持ち帰れるから安心して買えるし、売れるんです。しかも、天気がよければ、航空公園の芝生の上で、ピクニックシートを広げて、そこで食べられます。
運営側からすると、普通の食フェスって、ラーメン、カレーって、それなりの器があって、テーブルやいすなどの設置が必要になります。だけど、パンなら、ピクニックシートを配っちゃえば、そういう設置がいらないんですよね。
▲程原さん(左)と成田童夢さん(右)
◆あの成田童夢さんが応援団長に!~障がい者スポーツ・障がい者就労支援~
成田 今回、あの成田童夢さんが「パンフェス野老!」の応援団長なんですって?
程原 そうなんです。今回のイベントのもう一つの目標として、東京パラリンピックに向けて「障がい者スポーツ」に一人でも多くの人に興味と理解をしてもらうことなんです。今回、成田童夢さんに「応援団長」をお願いしたのは、弟の成田緑夢君が「平昌パラリンピック」で金メダルと銅メダルを取り注目度も上がりました。童夢さんは、「これから東京パラリンピックも控えているので、どんどん障がい者スポーツも伸ばしていかなくてはいけない」ということを提唱しているんですね。そのメッセージを、是非、所沢からも発信してもらいたいです。今回のイベントでは、童夢さんに「障がい者スポーツ」という視点で、30分間のトークショーとアニソンDJのステージを予定しています。
さらに!加えて、「障がい者就労支援」も考えたイベントにしたい。
「市役所」や「こどもと福祉の未来館」などの行政の公共施設の中で、就労支援施設の方が、パン、うどん、だんごなどを作って売っているんですよね。今回、無料の「福祉エリア」を設けて、是非、出店してもらって、一緒にこのイベントを盛り上げて欲しいです。「福祉エリア」での出店料は無料!売り上げも「どうぞ」という感じで、売り上げマージンを徴収致しません。
◆「パンフェス野老」は出発点にしかすぎない
成田 いつから、今回のイベントを仕込んできたのですか?
程原 パンフェスだけでまる2年です。
成田 へー!!2年ですか!ということは、この「パンフェス」の次なる所沢での仕掛けが、もう始まっていたりしますか?
程原 そうですね。2年後に「KADOKAWA」さんが来るので、「アニメ」や「ゲーム」で仕掛けていきたいです。今回のパンフェスというのは、そのスタートに過ぎないんですよ。2年後、地元所沢でビッグイベントを仕掛けたいと思い、これまで、アニメフェス、ポップカルチャーフェス、ねこフェスもやり、自分なりの土台作り、コネクションづくりをしてきています。そのノウハウとコンテンツを生かして、この所沢航空公園全体を使った「パンフェス」に加え、ミューズで「ねこフェス」、野外ステージで「ポップカルチャーフェス」と三つ同時開催のイベントにしてみたいと思っています。
成田 それ、すごいことになりますよ。
程原 そうですね。10万人規模のイベントかな。人気のある3つのコンテンツのファンを全国から集まるように、有名な方を呼べたら大変なことになりそうですね。2年後に「KADOKAWA」さんが来ることによって、所沢を多くの人が集まる街にしていけたらいいなと思っています。「KADOKAWA」さんは、アニメやゲームの業界にものすごいコンテンツをもっているわけですから。やっぱりそこを生かせるように、イベントプロデューサーとして仕掛けていきたいですね。
◆次回の「所沢の仕掛人」は?
成田 さて、次の「所沢の仕掛人」をご紹介いただけませんか?
程原 では、今回の「パンフェス野老」の副実行委員長を務めている大石健一さんを推薦します。
成田 承知いたしました。ありがとうございました。「パンフェス野老!」と今後の程原さんのご活躍を楽しみにしています。
「所沢の仕掛人。VOL.2」 は 大石健一さんです。お楽しみに!
クリック⇒大石健一さんのインタビューを読む