「所沢市制施行70周年記念式典」 宮崎駿、井上あずみ、JAY’S GARDENも
所沢市が「ゼロカーボンシティ」宣言!
▲式辞で「ゼロカーボンシティ」宣言した藤本正人所沢市長
所沢市は、11月3日、市制施行70周年を迎え、所沢市民文化センター ミューズ・アークホール(大ホール)で、記念式典を開催しました。式典の式辞で、所沢市の藤本正人市長は、「ゼロカーボンシティ」宣言をしました。
取材:2020年11月3日 成田知栄子
▲所沢市制施行70周年記念式典 式辞の様子
所沢市制施行70周年記念式典が、11月3日(火曜・祝日)、所沢市民センターミューズ・アークホール(所沢市並木1-9-1)で開催されました。
式典には、埼玉県知事の大野元裕氏、衆議院議員の柴山昌彦氏、参議院議員の西田実仁氏、所沢市選出県議会議員の柳下礼子氏、西山淳次氏、水村篤弘氏、岡田静佳氏が来賓として出席したほか、招待者約200人、事前申し込みをした一般観覧者約300人が参加し、市制施行70周年を祝いました。
所沢市は、昭和25年11月3日に、埼玉県内で8番目(※)の市として市制を施行しました。市制施行当時は人口約4万2000人。70年の年月を経て、今では34万4000人を超える都市に成長。
※川越市(大正11年12月)、熊谷市(昭和8年4月)、川口市(昭和8年4月)、浦和市(現さいたま市。昭和9年2月)、大宮市(現さいたま市。昭和15年11月)、行田市(昭和24年5月)、秩父市(昭和25年4月)
所沢市の藤本正人市長は、式辞の中で、70年前の市制施行当日、初代市長の新井萬平氏と初代議長の越阪部一氏の連名で記された「所沢市制宣言」について触れ、「文化こそが重要、文化が市の要、という考えは、市制施行時から、宿命づけられていた。所沢市の目指す姿は、『文化と自然』『文化とみどり』を基調として取り組んできた。これからも70年の歴史を作った先人に思いを馳せ、『文化』と『みどり』を大切していく」と述べました。
また東日本大震災の支援活動がきっかけで所沢市長選に出馬し、市長に就任した藤本氏は「市制施行60周年以降、東日本大震災にはじまり新型コロナで締めくくられた10年間だったともいえる。その間日本は多くの自然災害にも見舞われた。まさに人類はどう生きていくのか、自然から問いを突き付けられた10年だったと思う」と話し、所沢市が「ゼロカーボンシティ」となることを宣言しました。
「ゼロカーボンシティ」とは、2050年までに市内の二酸化炭素の排出量実質ゼロを目指すというものです。
ちなみに、所沢市は2014年に「マチごとエコタウン所沢構想」を策定し、特に「エネルギー」、「みどり」、「資源循環」を3本柱とし、さまざまな取り組みを進めています。
「エネルギーに関する取り組み」では、再生可能エネルギー普及推進事業として「株式会社ところざわ未来電力」を設立し、メガソーラーとフロートソーラーから生み出した電力を公共施設や事業者に供給しています。今年度(2020年度)10月からは一般家庭向けにも供給受付を開始しています。
「みどりに関わる取り組み」では、里山保全地域等指定整備事業として、里山保全地域やまちなかみどり保全地区などの指定、消失の恐れのある緑地の取得などにより、みどりの保全を進めています。
「資源循環に関わる取り組み」としては、食品ロスゼロのまち促進事業として2014(平成26)年度に、「食品ロゼロのまち協力店」の登録、「食べきりタイム」の導入などをスタートしています。
所沢市の取り組みは、「全国市区サステナブル度・SDGs先進度調査」(日本経済新聞社産業地域研究所の調査)の環境部門で全国1位に輝き、2019年(平成31年)1月7日発行の「日経グローカル」で発表されました。また、同年2月に県内で初めて「世界首長誓約/日本」に署名をし、温暖化を抑えることを国際的に約束しています。「世界首長誓約/日本」は、地球規模での気候変動という課題を、自治体が自分ごとと捉え、地域の力で取り組んでいこうという宣言です。(参考:「世界気候エネルギー首長誓約」)
▲所沢市と㈱スタジオジブリとの締結協定式の様子
▲所沢駅発車メロディに関する協定書と『となりのトトロ』モニュメントの著作権使用に関する協定書を締結
式典では、70周年記念事業の紹介と株式会社スタジオジブリとの事業協定の締結式が行われ、宮崎駿さんからのビデオメッセージが会場に流れました。
宮崎さんが結婚した当時に家を建てることになったのが「所沢」で、当時は、柳瀬川は白濁して汚れ、生物もいないような状態だったことを振り返りました。「毎週日曜日に有志で川の清掃活動をし、『淵の森』の雑木林の保全活動を続けた結果、今では川に魚が住めるほどきれいになった。所沢があったからこそ、『となりのトトロ』が生まれた。私は所沢に愛着がある。みなさんも所沢の良いところを発見して大切にしてほしい。少しずつでも努力をすれば、何かが返ってくる」と話しました。
70周年の記念事業として行われている事業の一部が紹介されました。
式典の第2部では、所沢市生涯学習推進センター主任の木村立彦氏が「所沢市の歴史と市制施行」をテーマに記念講話を行ったほか、所沢市観光大使のJAY’S GARDENと、となりのトトロの主題歌で知られる井上あずみさんのミニコンサートが行われました。
式典で紹介された70周年記念事業の一部は以下の通り
◆トトロの発車メロディとモニュメントがお目見え!
11月3日から所沢駅の発車メロディが『となりのトトロ』の楽曲に!
11月4日に、所沢駅東口ロータリー付近にトトロのモニュメントもお目見えします。
◆市制施行70周年記念マンホール蓋が誕生
市内在住の漫画家・安彦良和さんデザインの記念マンホール蓋を所沢駅東口ロータリーと東所沢公園に設置(11月6日予定)されます。
◆所沢をイメージした楽曲が完成!
所沢市観光大使JAY’S GARDENが、市制施行70周年を記念し、所沢市のテーマソング「つなぐ」を制作し、式典で発表しました。
▲所沢市生涯学習推進センター 木村立彦主任による記念講話「所沢市の歴史と市制施行」の様子
▲所沢市観光大使JAY’S GARDENによるミニコンサート 「toko toko トコろん!」と市制施行70周年を記念した所沢市のテーマソング「つなぐ」を披露
▲井上あずみさんによるミニコンサートの様子
井上さんのミニコンサートでは、式典当日の始発から西武線所沢駅の発車合図のメロディが『となりのトトロ』の楽曲が流れ、多くの「トトロ」ファンが、所沢駅に訪れ、SNS上でも話題になっていると話し、「『となりのトトロ』の映画が公開されて31年、今でも幼稚園・保育園の運動会の定番曲であったり、主題歌が教科書に載ったりして小さいお子さんから上の世代まで親しまれているのが嬉しい」と語りました。
2020年11月3日取材 成田知栄子