第5弾『所沢の方言!』
所沢なびボランティアライターの“ぶん”です。
今年最初の記事は5回目となる「所沢の方言」です。
昨年大晦日の朝日新聞に方言のことが書かれてあった。
国際教育科学文化機関(ユネスコ)が2008年発表した、世界では約2500の言語、方言が絶滅の危機にさらされている。日本では、極めて深刻な状況のアイヌ語のほか、沖縄県の八重山語や東京都、八丈島などの方言八つがリストに入った。
東日本大震災の被害地では津波による被害や原発事故の影響もあり、方言を日常的に話せる人が減っている。東北大学方言研究センター小林隆教授による13年の調査では、青森、岩手、宮城、福島の4県で消滅の危険がありそうなのは479語。うち、危険性が最も高いのは「アケズ(トンボ)」「ド(雄牛)」「ジップグレ(梅雨)」など143語に上がった。と
所沢では日常的に方言は聞いたことないように思えますが?
さて「ところざわ方言録」には様々な方言が面白く紹介されています。
【さんがんち】
元旦、二日、三日のことを言う。くっちゃね、くっちゃね(食べては寝、食べては寝)していても「さんがんち」は誰にもとがめられない。酒も飲み放題で「こてーさんね」(たまらなくいい)のです。
【じぜぇもち】
自在餅。つきたての柔らかい餅に小豆あんをからめた、あんころ餅。大根おろしに醤油をかけてからめると「からみ餅」、辛味餅と書く。
【ひとっかたけ】
佐藤武義教授の説によると古く食事を「け」と言い、一日二食の時代、二食の片方を「かたけ」と呼んだが鎌倉時代に入って三食となり、「ひとかたけ」、「ふたかたけ」「みかたけ」と呼ぶようになったと。つまり一食ぶんのこと。
【むちゅっけーし】
夢中になっているさまを「むちゅっけーし」と言う。人間何と言っても「むちゅっけーして」仕事をやっている顔が一番だ。
【これっちんぺ】
是式(これしき)=これくらいの「これ」に、ちょっとばかりの所沢ことば「ちっとんべ」。
汗水たらして働いてよお、「これっちんぺ」の手間(収入)にしかなんねというなげき。
番外編 【狂言“入間川”の逆さ言葉】
2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック開閉会式を演出する総合統括に、狂言師の野村萬斎氏が就任することが決まった。室町時代からつづく能狂言(のうきょうげん)に、「入間川」の渡り瀬を舞台として“逆さ言葉“で展開される対話劇の一曲がある。逆さ言葉の持つ意味を反対にした言い方を、逆さ言葉。
狂言(きょうげん)とは・・・
能と同様に猿楽から発展した伝統芸能で、猿楽の滑稽味を洗練させた笑劇。
明治時代以降は、能・式三番と併せて能楽と呼ぶことがある。
引用:ウィキペディア
狂言「入間川」あらすじ
東国の大名が永々在京に末、訴訟を終え、意気揚々と太郎冠者を連れて本国に帰ることになりました。
途中、富士山を眺めたり、武蔵野を通り過ぎて行くと、大きな川にぶつかりました。
川の名を尋ねたいと思っているところに、向こう岸にいる土地の者に、この川の渡り瀬を尋ねると、
「この川は入間川、ここは深く、もっと上の方だという。」と、大名は何を思ったのか、そのまま川を渡りはじめます。当然深みにはまって、流されそうになるところを、土地の者に冠者(かんじゃ=少年)に助けられます。この地では入間様(いるまよう)といって、逆さ言葉を使うと聞くからここを渡ったのだと怒る大名は、土地の者を討する。
この曲のポイントは『入間様(いるまよう)』という逆言葉を中心にしたお遊びで、物事をすべて反対に云い表わします。逆さ言葉ほどに通じにくい土地の言葉、方言を題材にしたことの狂言は6百年余りも演じられている。
所沢方言のつづき
【としっくい】
見た目よりも年をとっている人を「としっくい」という。
【ぼーころがし】
ここは面倒くさいことはやめて、あるだけ全部「ぼーころがし」で分けようと、、物や金を平均にわかることを「ぼーころがし」と言った。
【しぇー】
所沢では、言葉のあとに「しぇー」が下に付くと丁寧語。 あがらっしぇー(お上がりください)
【おっけ】
おみおつけ=みそ汁のことを「おっけ」という。本膳に付け添える汁に、女房詩で「お」をつけて「おっけ」となったが、方言と言うより、このほうがまともだから。
【いんべ】
いんべ=(行こう)、 いんべや=(行こうよ)、 いってんべ=(行ってみよう)、 いがねか=(行かないか)少しずつニュアンスが違うが、どれも誘いの言葉。
いかがでしたか?
聞いたことがある言葉はありましたか?
若い子による新しい言葉が次々に出てきますが、方言ってその土地によって違いますがいいものですね。
参考文献:「所沢方言録」 「狂言入間川考」 「狂言を観る」