料理センスと経営才能で所沢の魅力を発信する飲食店オーナー


食と人を笑顔でつなげる
料理センスと経営才能で所沢の魅力を発信する飲食店オーナー

渋谷 正則さん

エコトコファーマーズカフェで

 

航空発祥記念館の中にあるカフェレストラン「エコトコファーマーズカフェ」と、所沢ミューズの中にある「ミューズレストラン響」と「ミューズカフェ彩」。
いずれもこれまでの公共施設併設の飲食店のイメージとは違う、おしゃれな雰囲気の空間でカフェや食事が楽しめます。
この3店舗すべては、渋谷正則さんの「OECマルシェ株式会社」が運営するお店で、渋谷さんの熱い思いが込められています。

そんな、渋谷正則さんの思いを取材しました。 ※当時のインタビュー内容です

 

Q.所沢の食に多角的な経営をされていますが、ご実家かご親戚の影響などあるのでしょうか?

A.いえいえ、両親はもとより、親戚にも飲食業界の人はいないんですよ。むしろ、公務員などみんな硬い感じの業種で、私だけ異色なんですよ。私も、もともとは大学で電子工学を専攻していたのですが、大学時代にいろいろな世界を見てみると、「食の世界が面白い!」と思いました。それで大学4年になるときに大学を退学し、シェフになるため専門学校に通いはじめ、この業界に入りました。

 

Q.食の世界の魅力ってなんですか?

A.工学の世界も食の世界も「モノづくり」という点は共通しているのですが、食の世界は、料理を提供して目の前の人を喜ばせることができる仕事として、工学のモノづくりよりはるかにシンプルなこと、そして、それは世界共通であるということに魅力を感じました。

 

Q.都内でフランス料理の修業をしたのち、所沢でお店をオープンさせたのは?

A.私は所沢育ちですから、食で所沢の魅力を引き出し表現できるレストランをめざそうと思いました。初めてのお店は、所沢スカイライズタワーの中にある小さなお店。ワインの名前からとって、「ビストロプピーユ」という名前のカジュアルなフランス料理店をオープンしました。日本の中では、フランス料理といえば高級料理というイメージが強いですが、フランス料理にも家庭料理があるので、所沢の人たちにワインを飲みながら気軽に食べられるフランス料理の食堂をめざしました。

 

Q.初めてのお店の経営はいかがでしたか?

A.ビストロプピーユは、2002年にオープンし、経営のノウハウも独学でしたが、3年で軌道にのりました。結局、2012年までやっていました。はじめの頃は、フランス料理を作るため世界中から食材を調達するのに苦心しましたが、3年経ったころから、地元の小さな農家の人たちとの出会いがあり、必要な食材を特別に栽培してもらい取引がはじまりました。所沢には美味しい野菜がある。なんとか利用できないか。流通にのらなくてもいいものが多いということに気づきました。また、農家の人にも、地元のレストランに直接卸すことによって、「顔が見える。家業の農家をやっていてよかった」と言ってもらえたことが嬉しかったです。それにより、若い農家の人たちが仕事をしっかりできる環境も作りたいと思いはじめました。小さな店と小さな農家で何かできそうなことがありそうな気がしました。

 

Q.それで、「エコトコファーマーズマーケット」が誕生したのですか?


A.あれは、2006年に私がスカイライズタワーの商店組合の会長をしたことがきっかけです。ちょうどそのころ、県から商店組合に「にぎわい補助金を出す」という話があり、地場野菜のマーケットをしてはどうかと考え、アイディアを提出したところ、企画が通過し、補助金がもらえ、「エコトコファーマーズマーケット」を実現させることができました。地元で作った野菜を直接、地元の消費者に届けるマーケット。2010年から実施し、2014年まで続きました。そういった取り組みから得たものは「コミュニティづくり」。農家とのつながりや商店同士のつながりです。

 

Q.そんなに軌道にのっていたのに、なぜ閉店してしまったのですか?

A.ワインと料理で「目の前の人を幸せにできる食堂」をめざしていましたが、たった12席しかない小さなレストランだったので、さまざまなお客さんの要望に応えるのは、少し手狭でした。そんな矢先、航空発祥記念館に併設されているレストランの話があり、「エコトコ・ファーマーズカフェ」をオープンすることができました。エコトコファーマーズマーケットのつながりを生かして、「地産地消」がコンセプト。
公園の中にあるので、お客さんのターゲットは、休日は「家族連れ」、平日は「シニア世代と子ども、犬の散歩をする人」。所沢の食の魅力を伝えられる店、親が子どもに安心して食べさせることのできる店を目指しました。その翌年、今度はミューズのレストランと喫茶店の運営の話もあり、同じコンセプトの「ミューズレストン響」「ミューズカフェ彩」をオープンさせました。移転して現在4年経ちましたが、事業も法人化して順調に成長しております。
この3店舗は「地場野菜を使って、所沢の食の魅力を伝える」というコンセプトは同じですが、施設を利用するお客様の層やニーズが違うので、メニュー作りの難しさも感じているところです。こだわり野菜を使ったメニューのこだわりをキープしながら、今後も「目の前の人を喜ばせる」を目標に改善努力をしていきたいと思っています。

 

Q.渋谷さんは、ソラバルの実行委員長も務めていらっしゃいますね?

A.はい、所沢の食と音楽の祭典「ソラバル」の実行委員長を務めたのは、一昨年(2015年)からです。今年(2017)は8月18日~20日の開催で、今年5年目。昨年までは事務局を所沢市観光課においていましたが、今年は、所沢ノード(所沢駅西口プロぺ通り、所沢サンプラザ3F)を事務局にし、準備は着々と進んでいます。所沢ノードの「まちづくりのネットワーク」の機能を生かし、市民の手で盛り上げる祭典する予定です。

 

Q.昨年のソラバルとはどんなところが変わりますか?

A.参加店舗数も昨年とほぼ同じ60店舗。パスポートチケットも昨年と同様500円。今年少し変えたところは、昨年は、所沢市外のお客さんに来てもらうことをメインにしていましたが、今年は、開催から5年目でも「ソラバル」自体を知らない所沢市民も多くいることから、まずは「所沢市民に参加してもらえる祭典を」と意識しています。
「ソラバル・パスポートチケット」は、7月上旬に発売予定。食で所沢の魅力を市民の人たちに再認識してもらい、所沢市民を満足させる祭典にしたいですね。

 

 

渋谷正則さんプロフィル
OECマルシェ株式会社 代表取締役
● 所沢高校卒業後、工学院大学電子工学部入学
● 在学中に食の世界に魅了され、東京調理師専門学校で学ぶ
● 卒業後、都内フランス料理店で修業(フランスにも3度研修)
● 都内大使館(ドイツ、スイス、フランス)や外資系企業のイベントパーティなどの運営
現在は、「20年のレストラン事業で培った経験と知識を多くの地域の皆様に役立てたい」という思いから地産地消をベースとした地域貢献・活性化を目指した業務を行っている2003年 フランス料理店「ビストロプピーユ」開業
2008年 支店「わいん酒場メルロ」開店
2010年 「エコトコ・ファーマーズマーケット」運営
2011年 「ゼーホフ工房2階レストラン」店舗設計、運営
2012年 OECマルシェ株式会社設立
「ラジャ」業務委託、メニュー開発
2013年 「エコトコ・ファーマーズカフェ」開店
2014年 「ミューズレストラン響」「ミューズカフェ彩」開店
2016年 「とこベジドッグnicorico」業務委託
2015年~2017年 「ソラバル」実行委員長

 

OECマルシェ株式会社の情報は、後日掲載いたします。
お楽しみに✨


この記事を書いた人

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成田 知栄子 Chieko Narita

ラジオ、テレビでの取材活動を経てフリーになり、ライターに転職。情報は「人と人とを繋げ、生活をより豊かにする」をポリシーに活動しています。記事情報が、誰かの何かにお役に立ちますように…。

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